注:ネタバレ含みます。どうしてもラストシーンについて触れる必要があったので。
それでは感想だが・・・。
正直前後編でやって欲しかった。
色々深読みできる話ではあるが、UDFをブッシュ政権、テロリストをイフに置き換えるとわかりやすい。
「力」でイフを倒そうとするUDF&マックス。
しかし、イフには全ての攻撃が通用せず、
逆に同じ能力で攻撃される。つまり戦う程に強くなる。
マクシウムカノンですら取り込まれる始末。
(イフがマクシウムカノンを発射する画は意外性があって良し!)
そう。
一向にテロが収まらないイラクのように。
「血を吐きながら続けるマラソン」のように。
ではその負の連鎖の鎖から、我々はどうしたら抜けられるのか?
盲目の少女アッコは自分の「思い」をイフにぶつけた。
視力を失った事により「絵を描く楽しさ」を奪われた彼女にとって、「ピッコロの演奏」は唯一残されたものなのだ。
演奏会の会場を破壊した彼女に対し、
「これ以上私から奪わないで」という思いを乗せた彼女の演奏は、イフの姿をも変えた。
あのラストは「音楽」が人類を救ったのでは無い。
アッコの「思い」が人類を救ったのだ。
惜しむらくはそのテーマを成立させる為のカットが足らなかった事か。
いつもより派手な攻撃シーンはあるのだが、それがイフに向ける「憎しみ」を感じさせるまでに至ってない。
その為、向かい合う感情のバランスが崩れている。
何より盲目のアッコがどうやってイフの正面まで向かえたのか?
正直「ええっー?」って思いました。
どこぞの二世脚本家じゃあるまいし、その辺はいいがなものかと
>NAKA雅MURAさん
マックスが倒されるまでで1話使ったほうが良かったのでは?
ただ、それだと後編でのマックスの扱いをどうするかという問題はあるのだが。
また、三池演出にも触れておくが、単なる「怪獣大暴れ」に終わるのではなく、
画面全体から「絶望感」が伝わってくるイフの破壊シーンや
イフがアッコの音楽を聴いて自らの体を楽器に変化させるラストシーンの画は素晴らしかった。
苦言も書いたが、久々の傑作だった。
「過去作品の焼き直し」
「新しいものが感じられない」
「俺たちの思い出を返せ」
と囁かれる「ウルトラマンマックス」だが、
小手先の変化に走る他の特撮番組とは違うマインドでこれからも頑張っていただきたい>円谷スタッフ