2009年12月5日土曜日

暴力が中心のこの惑星の中で

暴力が中心のこの惑星の中で



「週刊30周年記念 ヤングジャンプCMコンテスト」応募作品。


「嘘喰い」をテーマに30秒のCMを作ってみた。以下解説。




偶然「創刊30周年記念 週刊ヤングジャンプCMコンテスト」を知った。

応募の規約をみると、

・ヤンジャン連載中の漫画を好きに使っていい
・推薦作品に「嘘喰い」がある
・「深海獣雷牙」でご一緒した折山みゆchanが審査員(あ、関係ないか)

との事。そこで「漫画のコマをコラージュして映像が出来ないか?」と思い立ち、急遽応募作品を作る事に。


とりあえず単行本を何度も読み返し、使えそうなコマをチェック。

テレビで流れる可能性があるので、残酷描写のコマはカットした。

ちなみに単行本は全巻持っているのだが、サイズの大きい雑誌から取り込むべく、メモを元に国会図書館で全てコピー。


スキャニング後、画像のトリミングをするのだが、単純にコマを抜くだけではなく、16:9のサイズに切り出さなくてはいけない。

その段階で「画作り」のセンスが必要になる。


フォーマットの都合の為普段使ってるFinalCutExpressではなく、FLASH作成ソフトのSuzukaを使用。

このソフトの利点はタイムシート方式なので、私のような映画屋の人間には使い易い。


この映像では「嘘喰い」の本来のテーマである

「暴力の渦巻くこの世界で、自らの意思と行動で運命を切り開く」

を表現してみた。それを強調すべく、漫画のコマのみならずデジカメで撮影した風景も一部取り入れている。


後日ブロスタTVの方から差し替え要請が来た。それが国会議事堂の写真。

「政治的な背景を想像させるからNG」と言われた。

そもそもこの台詞は作中のものだと言う事、政治的意図は無い事を説明し、

「できればこっちを使ってくれ」と交渉。

ヤングジャンプ編集部と協議の結果、このままいく事になった。


差し替え版にすれば予選は通ったかもしれないけど、クリエーターとしてそこは譲れない線だったので。


で、結果はというと…


あえなく落選。部門賞はいけると思ったんだけどなあ(泣)。

ただ「ヤングジャンプのCM」というコンテストの意図からは思いっきりはずれてるとは、自分でも思う(笑)。


落選はしたけれど、

アニメでいうところのタイムシートを打つ感覚で編集が経験できたのはよかった。

実は、同じようなコマ数で表示しているように見せて、何箇所かでタイミングを変えている。

こういうのは自分で体験してみないとわからないものだ。


もしかして俺は「アニメもやれるんじゃないか」と勝手に思っている。

後日twitterにて作者の迫稔雄先生からお礼の言葉を頂きました。

ありがとうございました。

作者の方に喜んでいただき、作り手としても光栄の極みです。