2009年8月30日午後5時半。
「送る会」の会場である杉並公会堂に到着。
開場は6時半からなのだがマスコミ受付は20分早いので、
産経新聞の記者である友人の堀と、久しぶりに会う時間を作る為に早めに到着したのだ。
氷川竜介さんの姿をお見かけしたのでご挨拶。「送る会」の準備お疲れ様でした。
怪異蒐集家の木原浩勝さんをお見かけしたので挨拶。
「送る会」開催に当たって、アニドウのなみきたかしさんに資料協力を要請されたそうだ。
確かに木原さんなら埋もれてる資料とかお持ちかもしれないです。
先日事務所に遊びに行った時も色々見せていただきましたし。
15分ほど送れて堀が到着。
たまたま近くに芦田豊雄さんがいらっしゃったので挨拶。
「JAniCAシンポジウム2009」等イベントでお見かけする事はあったのだが、直接話しかけられる状態ではなかったので。
実は高校時代にスタジオライブに見学に行った事があり、
芦田さんに近くの喫茶店で色々話を伺ったのだ。XX年振りにお話できた。
そのまま堀を紹介→取材という流れになった。
喫茶コーナーで堀としばし雑談。最近の近況や金田さんの記事について話す。
「金田さんにスポットを当てたい」という事で、記事を書き始めたのだが
アニヲタ以外の人に金田さんをわかってもらうのにどうすればいいか苦心したそうだ。
私のようなヲタからすれば、他にも取り上げるべきアニメ作品があると思うのだが
一般の人に伝わり易くという事で「となりのトトロ」の話を持ってきたとの事。
まあ普通の人に「ブライガー」とか言っても伝わらないかも。
開演10分前になったので開場入り。ついでにカンパを済ませる。
当初心配していたイベントと勘違いしてハシャぐ輩はあまり見受けられなかった。
平服もカジュアルな服装の人は少なかったし(ポロシャツ姿の輩とかいたのは残念)。
少なくともサインをねだるような人はいなかったと思う
(もっとも豪華な発起人の全員が来たわけではないけど)。
当初心配していた一般ファンも結構来ていたようだ。
ただどういうわけなのか、業界関係者のみだったはずの1Fにも
アニメ業界以外の人もチラホラいたようだ。
尚、開場内の写真撮影は禁止なので、許可されてる範囲で幾つか。
午後7時。佐藤千春さんのピアノ演奏による「宇宙の星よ永遠に」で開演。
なみきたかしさんの司会で進行。
メモとか取ってないので、順序とか発言の細かいニュアンスとか間違ってたらすみません。
流れていた映像は金田さんの関わった作品とプライベート映像。
作品では「ドンデラマンチャ」「ダウンロード」といった珍しい作品やゲームのOP映像である「半熟英雄」を大画面で観れたのは貴重な機会だった。
プライベート映像は金田さんの入浴シーン(笑)の他に
小松原一男杯でみせたリアル金田パースとも呼ぶべきフリ付きでグレートマジンガーを熱唱する姿が印象的だった。
明るい方だったんだ。
そう感じさせる姿がそこには映っていた。
映像の合間に弔辞。
スタジオNO.1の野田卓雄さんは顔の修正について語っていた。
「顔は私がなんとかするって言って自由に書かせた。
でも、今映像を観て思い出したんだが、結局直してなかった」
という発言で開場に笑いが起こった。
氷川さんは弔辞というか解説。
パースのみで語られる事の多い金田さんの作画について、多方面から検証しわかり易く語っていた。
「でも、本人に聞いても金田パースも金田ポーズも考えてやってるわけじゃなくて、本人としては特殊なことをしているつもりは無いと言うんですよ」
金田さんと新作アニメの準備中だった事を明かし、それが実現できなくて残念と語られていた。
献花を添える際の背中が、心なしか震えているように見えた。
「ナウシカ」の時にジブリで隣だった庵野秀明さんは、当時の思い出を語っていた。
「よく、昔の思い出話とかを聞きまくって邪魔してばかりいてすみませんでした」
そして、
「早い、早すぎますよ…」と声を震わせていた。
スタジオZ5の亀垣一さん・平山智さん・本橋秀之さんも当時のエピソードを語られていた。
原画に100円玉を貼り付けて「修正しないで下さい」というエピソードとか。
亀垣さんは
「他の絵の上手い方々は悔しいでしょう。何でお前(自分の事)が壇上にいるのかって」
と謙遜しながら言っていたが、
後半「チョー悔しい」と何度も繰り返したのは、自分より先に逝ってしまった金田さんへの思いなのだろう。
「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」等で仕事を共にした、金田さんのライバルでもあり友人である友永和秀さんは
「酔っぱらってキスされて舌入れられてたら、なんか目がトロンとした(笑)」
というオチャメなエピソードを披露。
司会のなみきさんから「それはあんまりいい話じゃないな」と言われると
テレコムで某ゲーム(発売前なのでタイトルは伏せます)の原画が回ってきたら
良くみると金田さんの絵だった。久々に彼の画が見れて嬉しかった。
その直後に金田さんの訃報が届いたそうだ。
「これも運命だったのかもしれない」と友永さんは呟いた。
「銀河鉄道999」や「幻魔大戦」で組んだりんたろうさんは「ダウンロード」制作時の話を中心に語っていた。
仏教の話を色々していたとか下の階にあやすぃ宗教団体がいたけど
自分達もグラサンかけてて(見た目が)結構怪しかったとか。
「(金田さんのパネルを見て)立ってる位置が違うでしょ。(年齢的に)逆じゃないの」
逝く順番が逆だろ、と言うように早過ぎる天才の死を嘆いていた。
最期に奥様と弟さんの挨拶で幕を閉じた。
「明るく送ってあげよう」という思いからか、笑いを取れるエピソードを入れた弔辞が多かった。
それでも、
言葉のどこかには、金田さんの早過ぎる死に対する悲しみ込められていた。
※金田伊功を送る会(3)へ続く。