2005年1月2日日曜日

ULTRAMAN

いや、思っていた以上に面白かったです。

常日頃「エンターテイメント系の日本映画で(アニメ以外に)当たり無し」

という某氏には是非観ていただきたい。




まずストーリーだが、特撮ものを大人向けにしようとすると、オタク臭くなったり、支離滅裂になったり、

肝心のドラマパートがグシャグシャになったりするのだが、この映画にはそれがない。

では、子供置いてきぼりかというとそうではなく、「夢」を糸として子供との交流を紡いでいる。

他にも有働に銃を向ける沙羅や、笑顔で真木を送る蓉子のシーンは秀逸だ。


難点は真木のザ・ワンに対する憎しみが、今ひとつというところと、

「運命」が二人を分けたにもかかわらず、有働にとって救いの無い話になっている事か?

有働が「闇」に飲まれるシーンがあれば、繋がったのだが。


長谷川さんは頑張ったとは思うが、完全な「大人向け」にするのなら、正直他の脚本家のものを観たかった。

どうしても今までの特撮ものの文法の呪縛が残っているので。


演出は・・・手堅いです。

それと特筆すべき点は、特撮パートがドラマと合致している事。

当たり前のようでいて中々できません。

この辺は小中監督の面目躍如といったところか。


ちなみにコズミックレイヤーもアクションと本編は融合してます。

それは単に私が両方演出したから。

まあ、特撮のチープ感とか、結構バランス取れてたと自負してますが(笑)。


特撮は・・・「豪華」ではないが「凄い」。

板野さんの手がけた空中戦に話題が集中しているが、隔離施設での巨大化もスムーズだ。

他にも細かいとろがよく出来ている。

つーか、どこぞの怪獣映画や仮面ライダーと違って、ウルトラマンをカッコよくしているんですよ!


まあ、ゴジラと違ってボスプロに時間掛けてますから。

一昨年の12月に本編撮影終了して、5ヶ月くらい使ったそうです。

手塚監督が聞いたら羨ましがると思います。

つーか、やはりそれくらい必要だろう。ボスプロは。


惜しむらくはF15のモデリングが今一つだった。もう少し本物らしくして欲しい。


何よりこの映画、子供がちゃんと喜んで観ているのが凄い。

どこぞの仮面ライダーの映画では観られなかった傾向だ(笑)。

ちなみに私の隣の子供は、アンファンスを「筋肉ウルトラマン」と呼んでました(笑)。


正直「ゴジラFW」よりよっぽど大人の鑑賞に堪えられる。観客動員はもっと伸びて欲しい。

ただ、「ゴジラFW」はともかく、「ハウル」「Mrインクレディブル」等ライバルが多すぎる。

また、「ゴジラFW」もそうなのだが、大人を入れたいのなら夜の回をちゃんと設けて欲しい。

午後5時じゃあ普通のリーマンは行けないので。


特撮映画の「未来」を充分感じさせてくれました。

「2」も期待してます。正直もっと人入って欲しいです。


つーか「ウルトラマンVSスペースゴジラ」ってダメ?