いや、思っていた以上に面白かったです。
常日頃「エンターテイメント系の日本映画で(アニメ以外に)当たり無し」
という某氏には是非観ていただきたい。
まずストーリーだが、特撮ものを大人向けにしようとすると、オタク臭くなったり、支離滅裂になったり、
肝心のドラマパートがグシャグシャになったりするのだが、この映画にはそれがない。
では、子供置いてきぼりかというとそうではなく、「夢」を糸として子供との交流を紡いでいる。
他にも有働に銃を向ける沙羅や、笑顔で真木を送る蓉子のシーンは秀逸だ。
難点は真木のザ・ワンに対する憎しみが、今ひとつというところと、
「運命」が二人を分けたにもかかわらず、有働にとって救いの無い話になっている事か?
有働が「闇」に飲まれるシーンがあれば、繋がったのだが。
長谷川さんは頑張ったとは思うが、完全な「大人向け」にするのなら、正直他の脚本家のものを観たかった。
どうしても今までの特撮ものの文法の呪縛が残っているので。
演出は・・・手堅いです。
それと特筆すべき点は、特撮パートがドラマと合致している事。
当たり前のようでいて中々できません。
この辺は小中監督の面目躍如といったところか。
ちなみにコズミックレイヤーもアクションと本編は融合してます。
それは単に私が両方演出したから。
まあ、特撮のチープ感とか、結構バランス取れてたと自負してますが(笑)。
特撮は・・・「豪華」ではないが「凄い」。
板野さんの手がけた空中戦に話題が集中しているが、隔離施設での巨大化もスムーズだ。
他にも細かいとろがよく出来ている。
つーか、どこぞの怪獣映画や仮面ライダーと違って、ウルトラマンをカッコよくしているんですよ!
まあ、ゴジラと違ってボスプロに時間掛けてますから。
一昨年の12月に本編撮影終了して、5ヶ月くらい使ったそうです。
手塚監督が聞いたら羨ましがると思います。
つーか、やはりそれくらい必要だろう。ボスプロは。
惜しむらくはF15のモデリングが今一つだった。もう少し本物らしくして欲しい。
何よりこの映画、子供がちゃんと喜んで観ているのが凄い。
どこぞの仮面ライダーの映画では観られなかった傾向だ(笑)。
ちなみに私の隣の子供は、アンファンスを「筋肉ウルトラマン」と呼んでました(笑)。
正直「ゴジラFW」よりよっぽど大人の鑑賞に堪えられる。観客動員はもっと伸びて欲しい。
ただ、「ゴジラFW」はともかく、「ハウル」「Mrインクレディブル」等ライバルが多すぎる。
また、「ゴジラFW」もそうなのだが、大人を入れたいのなら夜の回をちゃんと設けて欲しい。
午後5時じゃあ普通のリーマンは行けないので。
特撮映画の「未来」を充分感じさせてくれました。
「2」も期待してます。正直もっと人入って欲しいです。
つーか「ウルトラマンVSスペースゴジラ」ってダメ?